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横行する「債務整理」広告と債務整理二次被害

借金苦が数字の上から明らかとなっている現状で、その解決には専門的な知識と経験を持つ、法律家やカウンセラーなどへの相談が不可欠である。素人の生兵法では、債務の整理は困難だ。ところが、その相談の傾向に、ある変化が現れているという。借金問題に苦しむ多重債務者等への支援を続けている太陽の会(全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会加盟)の本多良男氏は、「とくに今年(二〇一〇年)に入ってからの相談件数が減っている。しかも、その減り方が顕著」と言う。太陽の会といえば、マスコミなどでも何度も紹介され、多重債務者に対して入念な面接を行い、債務整理からその後の生活の建て直しまでをサポートする、細やかな相談で実績がある。

その同会では、二〇〇七年には七一四件、二〇〇八年で五九三件あった相談件数が、二〇〇九年では二七六件と半数以下になっている。これまで同会を訪れる相談者は、年間六〇〇件から八〇〇件で推移していた。前述のように借金に苦しんでいる多重債務者がデータとしてまだまだ多く存在する現状では、いきなり三〇〇件足らずに激減することは考えられない。しかも、同会の相談者数がこれほど激減するという事態は、「これまでになかったこと」であると本多氏は語る。相談者数が減っているのは、太陽の会だけではない。自治体の消費生活担当部署や、各地の弁護士会、司法書士会などが開催している多重債務等の無料相談などに対して、このところ相談者が減少しているというのだ。

こうした傾向について、本多氏は「テレビのCMや雑誌広告などで盛んに宣伝されている、債務整理をうたった法律事務所や司法書士事務所へと相談者が流れていることが考えられる」と指摘する。近年、ラジオ・TVCMや雑誌・新聞広告、フリーペーパー広告、折り込みチラシ、インターネット広告などによって、弁護士事務所や司法書士事務所が債務整理を宣伝する大量の広告がばら撒かれている。そのキャッチコピーには、「借金の悩みを解消」「借金問題を解決します」といったものに始まり、「相談は無料」「取り立てをただちにストップ」「過払い金が返ってくるケースもあります」というような、借金返済に苦しむ者の心をくすぐるようなフレーズも少なくない。

なかには、「過払い請求、明日ではもう遅いかもしれません!」「一刻も早い決断を!」などと、借金に苦しむ者に対して危機感や恐怖心をあおるようなニュアンスの広告コピーまである。だが、こうした大メディアでの広告で相談者を引き寄せる弁護士や司法書士が、はたしてすべて問題なく借金苦にあえぐ人々の、本当の意味での「救済」になっているであろうか。実は、そうした弁護士や司法書士による債務整理をめぐって、依頼者との間でさまざまなトラブルが続出しているのである。前出の本多氏も指摘する。「クレジットやサラ金で被害にあった方々が、こんどは債務整理で被害にあう。まさに債務整理二次被害が増えているのです」その「二次被害」の実態はまだその実態は明らかにされていないが、すでに数多くのトラブルが発生している。